新海誠監督最新作『言の葉の庭』の舞台挨拶に入野自由と花澤香菜が登壇!

5月31日より全国の劇場23館で上映を開始した新海誠監督の最新作『言の葉の庭』は新緑の季節、雨の庭園で出会った高校生と謎めいた年上の女性の心の機微を、美しい映像と共に繊細に綴っていく“孤悲〈こい〉”のラブストーリー。その公開を記念して新海誠監督とタカオ役の入野自由さん、ユキノ役の花澤香菜さんが登壇する舞台挨拶が6月1日に新宿・バルト9で行われた。

作品の印象について「まずは単純に綺麗で美しく曲も含めてトータルで心を鷲掴みにされる作品。舞台挨拶で何を話そうか、インタビューでどんなことを話そうか考えるのですが、言いたいことが溢れて逆に喋れなくなる」と話すのは入野さん。さらに「自分の感想を話してしまったら観る人に影響を与えてしまいそうな気がしてなかなか言えないですし、舞台挨拶で話してみたいけど(上映前のため)言えないしみたいなジレンマを抱えています。」と話すと新海監督から「じゃあ今度二人のときに」と誘う場面も。そして花澤さんは感嘆のため息をつきつつ「素晴らしいですね。45分なんですが何時間も集中力を注ぎ込んで観られる惹きこまれる作品だなと思いました。ビニール傘に落ちる雨の表現も非常に細かくて劇場で1回観ただけでは分からない部分がたくさんあると思うのでもう一度家で観たいです。」とコメント。

新海監督からは作り手からの裏テーマが2つあると明かされ「1つは雨を少しでも好きになってくれること。もう1つは靴もしくは足を好きになってくれること。」と話す。それについて「足は元々好きですが(笑)僕は雨が苦手なんですよね。ここ最近雨になるとやはり『言の葉の庭』のイメージや音楽が頭の中に思い浮かびますね。」とコメント。そして「私も足はもともと好き」と話す花澤さんは「落ち込んでいるときに雨が降ると「1日上手くいかないな」という気持ちになるのですが、この映画を観て雨の日の過ごし方は色々あって、憂鬱になるだけじゃないなと思いました。」と花澤さんも雨の日の印象が少し変わったようだ。

そして話しはキャスティングについて。オーディションで選らばれたお二人について新海監督は「二人とも有名な声優さんで、入野さんには僕の前回の作品『星を追う子ども』で二役をお願いして、それに僕が惚れ込んでしまいました。」「花澤さんは劇場映画の印象が大きいですね。」と話し、続けて「もともと好きなお二人ではありましたが、傲慢な言い方をさせていただくと、どの作品とも違うお二人の声がある作品になったと思っています。」と自信をみせた。

そんな2人へ演じる際に意識した所を聞いてみると「新海さんの作品であるということ。新海さんの空気感というところをより意識して演じました。あとは映像に身を委ねて演じられればと思っていました。」と入野さん。そして「クライマックスのシーンで入野さんは譜面台に拡大コピーした台本を並べアフレコをしていて格好良かった」と笑顔で語る新海監督。続いて花澤さんは「私は今24歳なのですが27歳の役をやるのは初めてでした。私の人生を掘り下げていってもすぐに底についてしまうので、舞台になっている新宿を歩きながら考えてみたり、自分にできる限りのことをしようと思ってアフレコに臨みました。」と初めて演じる役の難しさを語ると、新海監督は「今花澤さんが自分の人生を掘り下げてもすぐに底に着いてしまうとおっしゃいましたが、キャラクターの今の感情、キャラクターの絵として描かれている感情は悲しげな顔かもしれないけど、でもそこで悲しいだけではないという情報やニュアンスを誰かに伝えることができるのはアニメーションの場合はやはり声や吐息、声優さんのフィールドだと思うんですよね。今回ユキノさんの演出をずっとやっていて、自分で分かっていなかったユキノさんの性格だったり彼女の本当の好みや気持ちみたいなものが演出をやらせていただいてアフレコの時にようやく分かったような感覚がありました。それはキャラクター設定に沿ったお芝居じゃないものを花澤さんがご自身の人生の中から引き出して声をキャラクターに吹き込んで人格や彼女の人生の深みを吹き込んでくださったのだと思います。」と絶賛した。

最後にファンへメッセージが贈られ舞台挨拶は終了となった。
花澤さん
本当に綺麗なんですよね。劇場で隅々までじっくり観ていただきたいと思います。ユキノを演じていてユキノに共感できるところが凄くあったので、皆さんにもキャラクターに何かしら共感してもらえるのかなと思います。じっくり観てください。

入野さん
この作品の中には不安や不満、痛みなどマイナスのものや、それを抱えてなお進む強さ、希望、夢、色々なものが詰まっています。そういったものを感じ取って観ていただけると嬉しいです。皆さんが感じたものが全て正解だと思います。何度も観て色々なものを感じ取っていただければと思います。ありがとうございました。

新海監督
この作品はアニメーションであるからとか、小さなスタジオだから、予算に制限があるから、期間がどうとか、そういった言い訳を一切せずに楽しむことのできる作品を目標にスタッフ一同作り続けました。必ず皆さんに何か届くものがあって楽しんでいただければと願っています。宜しくお願いします


【ストーリー】
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。そこで
出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるように
なり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた…。

【作品情報】
原作・脚本・監督:新海誠
作画監督・キャラクターデザイン:土屋堅一
美術監督:滝口比呂志 音楽:KASHIWA Daisuke
声の出演:入野自由、花澤香菜 ほか
エンディングテーマ:「Rain」作詞・作曲:大江千里 歌:秦 基博
製作・著作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝映像事業部

【Blu-ray&DVD商品情報】
発売元:コミックス・ウェーブ・フィルム 販売元:東宝
タイトル:劇場アニメーション『言の葉の庭』
上映劇場先行発売日:5月31日(金) / 一般発売日:6月21日(金)
■劇場先行販売限定特典:オリジナルスリーブケース(Blu-ray / DVD共に)

Blu-ray
価格:6090円(税込) 品番:TBR23169D
本編約46分+映像特典約108分
日本語リニアPCM5.1ch&2.0ch/日・英・中字幕
【封入特典】・サウンドトラックCD
・ブックレット(16頁)
【音声特典】・オーディオコメンタリー
【映像特典】・新海誠監督&キャストインタビュー
(Long Ver.)
・ビデオコンテ
・新海誠監督フィルモグラフィ
・予告篇

DVD
価格:3360円(税込) 品番:TDV23168D
本編約46分+映像特典約36分
日本語ドルビー5.1ch&2.0ch/日・英・中字幕
【封入特典】・ブックレット(16頁)
【映像特典】・新海誠監督&キャストインタビュー(Short Ver.)
・新海誠監督フィルモグラフィ
・予告篇

©Makoto Shinkai/CoMix Wave Films

 

<リンク>
言の葉の庭